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演題一覧

第98回NMC
  • 世話人 : 帝京大学脳神経内科 園生雅弘
  • 開催日 : 2019年12月21日(土)
  • 日 程 : 10:00~13:00自由検鏡,13:00~18:00発表討論
  • 会 場 : 帝京大学
  • 参加費 : 1000円
  • 演題〆切: 2019年12月11日
  • 世話人会: 大学棟1Fゴデレッチョ



  • 座長:国分則人

    演題 1
    Myotonic discharge様の持続性反復放電を認めたALSの1例
    1 )東北大学病院 脳神経内科 2) 防衛医科大学校病院 脳神経内科
    阪本直広1,2)、井泉瑠美子1)、小野理佐子1)、菅野直人1)、加藤昌昭1)、割田仁1)、青木正志1)

    症例は82歳女性、74歳時に高度房室ブロックでペースメーカー植込み術の既往あり。約1年前に右上肢遠位筋筋力低下が出現。その後、左上肢遠位筋、両上肢近位筋へ筋力低下は拡大、半年前より頚部筋力低下が出現し精査目的に入院となった。神経学的診察では、①軽度構音障害、②眼輪筋/口輪筋/下顎反射亢進、③首下がりと両上肢の高度筋力低下、を認めALSが鑑別上位に挙がった。針筋電図にて、筋力低下が明らかではない僧帽筋と大腿直筋で刺入時にmyotonic discharge様の持続性反復放電を、MMT2-3である上腕二頭筋において安静時陽性鋭波を伴う神経原性変化を観察した。他疾患除外のため大腿直筋より筋生検を施行した。myotonic discharge様持続性反復放電の由来、ALSと診断した本症例における出現の意義や、考慮すべき鑑別疾患について議論したい。

  • 座長:国分則人

    演題 2
    神経伝導検査で脱髄を示唆する所見を呈したアミロイドニューロパチーの1例
    1名古屋大学脳神経内科、2刈谷豊田総合病院脳神経内科、3名古屋大学大学院医学系研究科
    1小池春樹、2松尾幸治、2丹羽央佳、1深見祐樹、1仁紫了爾、1飯島正博、 3祖父江元、1勝野雅央

    症例は77歳女性、主訴は両下肢の痛み。既往歴、家族歴に特記すべきことなし。2018年4月に両足先にチクチクと針で刺されたような痛みが出現。2018年5月頃にはしびれ・痛みが膝の辺りまで広がり、両下肢の力も入りにくくなった。2018年8月に脳神経内科に紹介受診し、2018年10月に左神経生検施行された。生検時、意識は清明であり、脳神経系に異常を認めなかった。上肢遠位部に軽度、下肢びまん性に中等度の筋力低下があり、下肢遠位部優位に左右対称性の温痛覚・振動感覚低下を認めた。深部腱反射は上肢は正常、下肢は消失しており、Babinski徴候は両側陰性であった。血液検査では M蛋白(IgGλ・IgMλ)が陽性であり、遺伝子検査ではトランスサイレチン遺伝子変異を認めなかった。末梢神経伝導検査では運動・感覚神経の伝導速度遅延と遠位潜時の延長を認めた。神経生検ではアミロイドの沈着を認め、ALアミロイドーシスと診断した。本例を通してALアミロイドーシスにおける伝導障害の機序について考察する。

  • 座長:小池春樹

    演題 3
    急激に進行する関節拘縮と四肢の疼痛を主訴に来院した8歳女児
    東京女子医科大学病院 小児科
    七字美延 木原祐希 石黒久美子 佐藤孝俊 石垣景子

    入院40日前に、旅行先で大腿伸側および両上腕の疼痛が出現した。その後3週間で筋痛と筋力低下が増悪したため前医に入院精査となった。前医入院中に施行された末梢神経伝導速度やタンデムマス試験の結果に異常はなく、血液検査で高CK血症(CK 8000 U/l)、骨格筋MRIでSTIRとT2WIにて上下肢に局所的な高信号を呈した。肘関節伸展制限が急激に進行し、疼痛の増悪に伴う歩行不能により車いすでの移動を要する等、日々進行する症状増悪に対して、精査加療目的に、当科転院となった。
    入院当時、発熱はなく、一般身体所見に異常は認めなかった。脳神経系所見に異常はなかったが、深部腱反射は上肢および膝関節で減弱しており、頸部および上肢は筋力低下のため挙上困難を呈した。下肢は股関節伸展制限があり、強い疼痛のため股関節開排ができず、筋力の評価不能、床上での体位変換も困難な状態であった。
    皮膚所見として、両頬部の紅斑が認められたが、皮膚科膠原病外来では、膠原病として非典型的な所見とされ、伝染性紅斑の合併が示唆された。有意な皮膚所見に欠け、CK値の著しい高値、関節拘縮高度など、若年性皮膚筋炎として非典型的であることから、小児リウマチ科の依頼で開放筋生検を施行した。


  • 座長:井泉瑠美子

    演題 4
    遺伝子で確認されたoculopharyngodistal myopathyの臨床病理学的研究
    1. 東京都健康長寿医療センタ-高齢者ブレインバンク・バイオリソースセンター、2. 同 神経内科、3. NHO呉医療センター脳神経内科、4.東京大学大学院脳神経内科、5. 国 立精神神経医療研究センター疾病研究第一部
    松原知康1,2、倉重毅志2,3、久保田暁4、西野一三5、村山繁雄1,2

    遺伝子で確認されたoculpharyngodistal myopathyの臨床病理学的研究

  • 座長:井泉瑠美子

    演題 5
    Tubular aggregatesを伴う炎症性筋疾患の2例
    1) 東京大学医学部附属病院 脳神経内科 2) 杏林大学医学部付属病院 神経内科 3) 東京工科大学医療保健学部
    〇海永光洋1),鵜沼敦1),徳重真一2),清水潤3),久保田暁1),戸田達史1)

    【緒言】Tubular aggregates(TA)は筋小胞体が異常凝集した構造物で,TA myopathy,先天性筋無力症,周期性四肢麻痺でしばしば認められる.今回我々は,炎症性筋疾患を疑わせる臨床経過・筋病理像を呈し,TAを伴った2症例を経験した.【症例1】55歳時に,三角筋主体の上肢近位・呼吸筋の筋力低下を来した中年男性.血清学的には抗ミトコンドリアM2抗体陽性で,筋病理では炎症所見に加え,TAを認めた.PSL内服開始後,抗体は陰転化したが,傍脊柱筋主体の体幹筋,呼吸筋の筋力低下は緩徐進行し,63歳時にBiPAPが導入された.TAを呈する遺伝性疾患の責任遺伝子に既知の病的変異は認めなかった.【症例2】数日の急性経過で皮膚症状・筋痛・下肢優位近位筋筋力低下を来し,間質性肺炎を併発した52歳男性.血清学的には抗MDA-5抗体陽性で,筋病理では皮膚筋炎に合致する炎症所見に加え,TAを認めた.免疫抑制療法が開始され,一定の効果を得た.反復刺激試験では異常を認めなかった.【考察】今回,炎症性筋疾患を疑わせる臨床経過・筋病理像を呈する2症例においてTAが観察された.いずれも病歴・所見から遺伝性筋疾患は疑われず,TAは炎症性筋疾患に付随する所見と考えた.また,2症例とも抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎,抗MDA-5抗体陽性筋炎として非典型的な点は無く,TAの病的意義も明らかでなかった.TAは種々の疾患に出現しえ,疾患特異性が低い可能性もあるが,その形成機序は不明な点が多く,更なる症例の蓄積が重要である.

  • 座長:久保田暁

    演題 6
    石灰化を伴う多関節拘縮に対して外科治療とリハビリテーションが奏功した皮膚筋炎の38歳男性例
    国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科1)、同整形外科2)、同身体リハビリテーション科4)、同神経研究所疾病研究第一部6)、同メディカル・ゲノムセンター7)、筑波大学医学医療系整形外科3) 、同皮膚科5)
    小田真司1), 森まどか1), 松井彩乃2)、原友紀3)、板東杏太4)、沖山奈緒子5)、滝澤歩武1)、若杉憲孝1)、大矢寧1)、西野一三6)7)、水野勝広4)、髙橋祐二1)

    症例は生来健康な38歳男性。30歳、大腿前面の痛みを自覚し、31歳時に四肢の重だるさと皮疹が出現した。近医受診しゴットロン徴候とレイノー現象を認め、CK高値であり臨床的に皮膚筋炎と診断された。プレドニゾロンによる加療で症状は改善しCKも正常化した。32歳時、十二指腸潰瘍穿孔による安静臥床後から四肢の多発関節拘縮が出現、起立困難・歩行不能になり、34歳時に精査目的に当科初回入院した。入院時、皮膚症状と両肩・肘・手首・膝・足関節の拘縮、全身筋力低下を認め、起立歩行は不能だった。血清CK値は上昇なし、骨格筋MRIでは骨格筋のびまん性T2高信号、骨格筋CTでは筋萎縮とともに臀部・背部の皮下に石灰化を認めた。診断確定と病勢評価目的に筋生検を施行。典型的なperifacsicular atrophyを認め、病理学的にも皮膚筋炎と確定診断した。病理学的に炎症所見が著明でありコントロールが不十分と考え免疫グロブリン大量静注療法を定期的に行った。しかし緩徐に四肢の筋力低下と拘縮が進行し移乗動作も困難になり、CT上も全身の皮下石灰化が増悪した。36歳時に両膝関節・股関節・肘関節・右手関節に対し拘縮解除術、その後尖足に対しアキレス腱延長術、長趾屈筋/長母趾屈筋腱延長術を施行した。手術ならびにHAL(Hybrid Assistive Limb)を含むリハビリテーションで四肢の屈曲拘縮は改善し、移乗動作が容易になり日常生活動作の改善に寄与した。著しい全身石灰化、及び併発した拘縮に対するアプローチについて文献的考察をまじえ報告する。